“ 北極圏上空で異常低温に加え温室効果ガスの増加も影響し、観測史上最大規模のオゾン破壊が進んでいることが、国立環境研究所など15カ国の研究機関 の合同研究で判明し、5日発表された。オゾンの少ない空気の塊が東へ移動し、今月後半に中国や日本列島を含む中緯度地域に到達する見込み。オゾン濃度が低 いと、普段より強い紫外線量が観測される可能性があるという。
研究の結果、今冬初めから今月にかけてオゾンの破壊が進行、破壊はスカンディナビア半島を含む直径約3000キロの範囲におよび、北極圏のオゾン 総量の40%以上が破壊されたという。南極では84~85年にオゾンホールが発見され、北極でも96年以降断続的に小規模なオゾン破壊が観測されていた が、今回は最大規模。
北極上空では冬季に強い西風で低気圧の渦(極渦)が発生、内部は氷点下70度程度の低温となる。今冬は異常低温と、温室効果ガスによる放射平衡と呼ばれる気象現象が相まってさらに気温が下がった。
同研究所の中島英彰・地球環境データベース推進室長は「氷点下80度以下になると成層圏に特殊な雲が発生し、オゾンを破壊する化学反応が速まる」 と説明。極渦は今月半ばに崩壊し、ちぎれた低オゾンの空気塊が中緯度地域に流れ、紫外線は最大10%程度強くなる可能性があるという。中島室長は「白内障 の人は気を付けた方がいいかもしれないが、一般の人はそれほど心配する強さではない」と話している。【安味伸一】 ”
出典: 毎日新聞 2011年4月5日 21時24分(最終更新 4月5日 22時38分)
URL: http://mainichi.jp/photo/news/20110406k0000m040128000c.html
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